みなさんは、管理者養成学校というのをご存じですか?
私は、新卒で入社した会社の新人研修で管理者養成学校の出張版研修を受講しました。
入校することになってしまった方のために、体験談を語りたいと思います。
管理者養成学校の研修を受けた経緯
私はそもそも、入社を決めた時点ではそんな研修の存在すら知りませんでした。
内定式でなぜか山奥に行くことになっていたので嫌な予感はしていたのですが(笑)
先輩社員が泣き叫びながら研修を受ける様子を内定式後に見せられました。
本気で内定辞退しようと思いましたが、すでに12月。やられたなと思いました。
4月になり、入社式が終わるとその足でバスに乗り込み山奥の研修施設へ向かいます。
昼食をとった後、大部屋に集められ、新入社員30名ほどが円卓の形で椅子に座り、入校にあたって決意表明をするように言われます。
講師:「(1番目の人)さん、どうぞ」
1番目の人:「はい」
講師:「声が小さい!失格!」
1番目の人:「はい!」
講師:「注意されたらありがとうございますだろうが!」
これは大変なところに来てしまったなと思いましたね。
管理者養成学校で何をするのか
まず前提として、あらゆる行動を素早く、大声でやる必要があります。
お風呂の時間も入浴訓練と題しており、20分しか与えられませんでした。もちろん女性もです。
そして何種類かの訓練のメニューがあり、それぞれ講師の審査を合格すればその訓練はクリアとなります
そしてすべての訓練をクリアすることができれば、晴れて卒業となります。
行動力基本動作10箇条の暗記
社会人がどう行動したらよいか、といった内容の文章が10個あり、一字一句間違いなく覚え、叫ぶことができたら合格です。
私の同期の中には事前に覚えてきている人もいて、あっさり合格していました。ググれば内容も出てくると思います。
書いてある内容はまぁまともなことは言ってるとは思います。ただ役に立つかは疑問ですが。
素読
ありがたい御文章が与えられて、それを講師の手本通りに抑揚をつけて読むだけです。
もちろん大声でなければ合格できません。
歌唱訓練
謎の校歌を覚えて、大声で歌います。
音程とかはあまり評価の基準としては大きくないみたいです。
本校だと富士宮駅で歌うみたいですね。大迷惑です(笑)
体操訓練
ただのラジオ体操です。
ただし、朝6時から始まります。まだ真っ暗です。山奥なので寒いです。
しかし、そんな事情は関係ありません。芸人張りのテンションでやらなければやり直しです。
毎朝、「飛べー!」と講師からの怒号が飛んでいました。
終わったら、挙手制による指名で訓練生の1日の決意表明スピーチが朝礼台で行われます。
挙手しなければ指名されます(笑)
歩行訓練
集団で行う目玉となる訓練です。
手書きのガバガバ地図を渡され、チェックポイントを通って戻ってこいと送り出されます。
朝出発して戻ったのは18時ごろでした。
本校だと夜間に歩くらしいですね。脱走者が出るのもうなずけます。
報告書作成訓練
毎晩、入浴訓練後に、ボールペン字講座のように、一文字ずつ、インデントなどに注意して訓練の報告書を作成します。
報告書は会社のほうに送られるらしいです。
叫ばずに、静かに過ごせる唯一落ち着ける時間でした。
最終スピーチ
訓練最終日、会社の役員たちが見守る中一人ずつ3分間のスピーチを行います。
最終スピーチは基本的には何度かやり直すことになります。
合格のカギは泣くことです。泣いている同期は審査が甘めでした。
自分のスピーチのことで精一杯でしたが、いい大人が手足を震わせながら泣き叫ぶ姿は異様ですね。
まとめ
管理者養成学校では、叫んで歌って踊って歩いてまた叫ぶことになります。
非日常を体験するためにはよいですが、大半の人はそんなところに行きたくないでしょう。
私は研修を受けて戻った後1週間くらいはきびきび行動していましたが、すぐに元にもどってしまいました。
管理者養成学校の研修を受けたからといって行動がいきなり変わるわけではありません。
こうした研修に参加させる会社は都合の良い社畜を育成したいだけの場合がほとんどです。
研修に参加してトラウマになってしまう可能性もあります。
立ち向かうのではなく、逃げ出すのも一つの手だと思います。
少なくとも私は二度と行きたくないです。